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「それは切れない糸のように。ー前編ー」 by月琉様

サイトがブログへお引越ししたお祝いに月琉様がお話を書いて下さいましたぁemoji
軽い気持ちでお祝いをお願いしたのですが、またまた深いお話を書いて下さって…
貴重なお時間を割いて頂き申し訳ありませんemoji
「美奈&アルテミス+夜美奈」ですemoji

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!こちらの作品の転載は厳禁です!



「それは切れない糸のように。」 written by月琉様


夜も22時を過ぎた雨の降る夜、ライツマンションのインターフォンが鳴った。
「こんな時間に一体誰でしょうね」
カチャカチャと食器がぶつかる音と水音がするキッチンから大気がリビングにいる二人に話しかける。
「こんな時間に来るんだからろくなひとじゃないんじゃない。星野出てよ」
「はぁ?!何で俺が!お前が出ろよ夜天!」 
「…僕は明日の仕事の準備中、大気は片付けものの最中。…星野は?」
「……分かったよっ!出ればいーんだろっっ」
そう言って星野はやりかけのゲームを中断し、ぶつくさ文句を言いながら玄関へと向かった。
「全く…最初から行ってれば良いのに」
夜天が再び台本に目を移すと、玄関の開いた音と共に星野の驚いた声が聞こえてくる。
カチャッ、
「はーい…どちら…って愛野?!」
「………」
「…え?」
リビングにいた夜天は一瞬固まる。
「…今、愛野って言った…?」
独り言の様に呟くと、台本を放り投げて夜天は玄関へと急ぐ。
普段美奈子は夜にマンションを訪ねる時必ず夜天に連絡を入れる。
それは、夜天がそうしてくれと頼んだ訳でもなく彼女がそうしているのだ。
夜天達が三人で暮らしている事も一つの理由だが、それ以前に夜遅くに連絡も無しに人の家を訪ねるのが憚れるのだろう。
…その美奈子が連絡無しに夜訪ねて来た。
(何かあったのかな…) 
夜天の胸がざわっと騒いだ。
「…美奈?」
夜天が星野の向こう側にいるであろう彼女の名前を呼ぶが返答はなく、その代わりにあちらこちらからポタポタと落ちる雫の音が響いた。
「?!ちょっと、星野どいて!!」
「お、おお…」
星野を押し退けて、自分の目で確認した美奈子の姿に夜天は焦る。
「美奈…?」
「やて…く…ひっく…ふぇ…」
そこには、自慢の黄金色の髪もマキシ丈のワンピースも全てずぶ濡れになった今にも泣きそうな美奈子がいたのだ。
「ちょっと…とにかく上がって?シャワー浴びといでよ」
夜天が促すも美奈子はプルプルと首を横に振り、思い詰めたように言葉を繋げる。
「…っ!アルがっ!アルがいなくなっちゃったの!!」
「アルテミスが?でも、いなくなるなんていつもそうじゃないの?」
「…今日で五日になる…今までこんな長く黙っていなくなるなんてなかったのに…」
手を口の前で組みながら下を向く美奈子に星野がぽんっと肩を叩き笑った。
「だーいじょうぶだって!アルテミスだって猫だぜ?そのうち…」
「…だって!!あたし…あたし…」
「美奈…?」
美奈子は一瞬すうっと息を吸う。
そして、震えるちいさな声で言った。
「変身…できない…の…」
「!」 
「?」
首を傾げる星野とは対照的に夜天には言葉の続きを聞かないでも美奈子が言わんとしていることの意味を直ぐに理解した。
いつだか美奈子が教えてくれた。
『あたしね、皆が新しい力に目覚めて変身して行く中あたしだけ変身できなかったことがあるの。でも、相棒であるアルテミスのおかげで変身できたの』
そう照れ臭そうに嬉しそうに話してくれた美奈子の顔が可愛くて、そんなアルテミスとの絆に少し妬いた覚えがあったのだ。
「それって…」
夜天が次の言葉を言おうとした時、美奈子の右手にしてある通信機がピーピー!と警報のような音を鳴らし、直後にうさぎの声で「美奈子ちゃん!敵が表れたの!直ぐに来てっ」と応戦要請が届いた。
だが、変身できない今美奈子は返事をすることができないでいる。
「え…っと…あの…ね…うさぎちゃん…」
『…美奈子ちゃん?』
「ごめん…あたし…」
" 行けない " と言おうとした瞬間、美奈子の唇を夜天の手が塞ぐ。
「むぐっ?!」
『み、美奈子ちゃん?!どうし…』
「月野!美奈は今どうしても行けないんだ」
『夜天くん?!』
「代わりに僕が行くからそれまで頑張って」
『…分かった!!美奈子ちゃん、大丈夫だよ!あたしにまっかせなさい!チャチャっとやっつけてきちゃうからね☆』
うさぎは何か察したのかそれ以上は聞かずに美奈子にそう言った。
「うさぎちゃん…ごめん。ありがとう…」
ピッと通信が切れた音がした後の玄関は静まり返る。
その沈黙を断ち切ったのはその場にいた夜天でも星野でもなく、キッチンから玄関へと騒ぎを聞き付けて来た大気だった。
「星野、私たちが行きましょう」
「大気!いいよ、僕が行ってくる!」
「いや、お前は愛野とアルテミスを探してやれよ」
「はぁ…星野まで…」
呆れたようにため息をつく夜天の言葉を遮るように大気が真剣な眼差しで続けた。
「月野さんの方も大切ですが、愛野さんの方は場合に依ったら一刻を争う事態かもしれません。」
大気のその言葉にビクッと肩を震わせた美奈子を見て、夜天は美奈子をギュッと抱き締める。
「や、夜天くん服濡れちゃ…」
「そんなのいーよ…大丈夫、一緒に探せば直ぐ見つかるさ」
「夜天くん…」
「大気、星野ごめん…頼むよ」
二人は優しく微笑みながら頷くと、そのまま玄関を飛び出して行った。
「さて…と。とりあえずほんとに風邪引いちゃうから温かいシャワー浴びて服着替えよ?ね、美奈」
「でも…」
「…それとも今すぐこの場で脱がせてお風呂連れてってほしい訳?」
「いぃっ?!い、いってきますっっ」
「よろしい。」
パタパタと夜天の部屋から自分の部屋着を持ってお風呂に向かった美奈子を見届けると、夜天はキッチンに立った。
普段なら美奈子か大気に任せっぱなしだが、実はちょっと紅茶には煩く美奈子は夜天の入れるミルクティーが大好きなのだ。
「まずは…」
そう言って夜天がキッチンの上の棚を開けると、整理された紅茶の缶がズラッと数十種類並んでいる。
その中から夜天は深緑色の缶を選び、ティーポットへと山盛り二杯を入れ熱湯を注いだ。
「いい香り…やっぱりミルクティーにはアッサムだよね。あ、牛乳少し温めなくちゃ」
ミルクティーに使う牛乳は常温の物を使うのが常識だが、如何せん大気や亜美はストレートティーを好むのでこの家でミルクティーを飲むのは自分と美奈子しかいない。
従って、牛乳もいつも冷蔵庫の中にある。
「温めたらカップに移して、長めに蒸らした紅茶を注いでできあがり!砂糖は…」
夜天が角砂糖の入ったポットに手をかけると、後ろからぎゅっと腕が回されたが、夜天には後ろを振り向かずとも分かっている。
風呂場に彼女が置いていった柑橘系の香りのするシャンプーをサラサラの髪に纏わせるのは美奈子だけ。
「…ちゃんとあったまった?」
「うん」
「ミルクティー飲むでしょ?ほらソファ座って」
「…もうちょっとだけ…」
後ろから回された手を掴み、ゆっくり離そうとすると、その夜天の手をきゅっと握り返し背中に顔を埋める。
(よっぽどショックなんだな…ちょっと妬けるかも…)
「…──なんてね。」
「え?」
「何でもないよ。一人言一人言」
「?」
それから夜天の淹れたミルクティーを飲み少し落ち着きを取り戻した美奈子は、事の経緯を記憶を辿りながら話はじめた。
「つまり…いつもは何処に行くかちゃんと言って出てくアルテミスが5日前に突然消えたって訳?それをルナや他のみんなは知ってるの?」
「…ううん、多分知らないと思うわ。」
「どうしてそう言い切れるのさ?」
「だって、アルテミスの姿が一週間見えないなんて珍しくないもの。」
「ふーん…というか、そもそもどうして変身できないって分かったの?変身しようとしたってこと?」
…先程確かに美奈子は言ったのだ。
『変身できない』と。
だが、それを聞いたのはうさぎから応戦要請が届く前の話。
そして、アルテミスが消えたという5日前から敵が現れたという情報はない。
敵が現れなければセーラーヴィーナスに変身する必要もないし、変身できないことにも気づかない筈だ。
「それは…何となく変身してみよっかな…って…」
「は?何となく?!」
「そう…何かアルテミスのことを考えてたら今変身しなきゃいけないって急に思って…」
「…それで、変身できなかったんだ?」
「…うん」
そう…まるで、虫の知らせのように。
そして、変身できない事実を知り無性にアルテミスが心配になり傘も差さずに雨の中に飛び出してしまったらしい。
でも結局、手掛かりらしい手掛かりも見付からずに途方に暮れてると、ふと目の前を白い生き物が通りすぎた。
「咄嗟にアルテミスだって思ったの。でも…」
「違ったんだね?」
「うん…絶対アルテミスだったと思ったんだけどなぁ…オーラって言うか…」
「そっか…」
ふむ…と夜天が下を向き考えようとした瞬間、再び美奈子の通信機が鳴った。
ピーッ!ピーッ!
『大変だよ美奈子ちゃんっっ』
「まこちゃん?!」
『アルテミス…暫く帰ってないんじゃないかい?』
「え…?」
何故今アルテミスの話をまことはしているのだろう?
そう不思議に思うも、美奈子は再びまことの話に耳を傾ける。
『…今夜戦った敵はどうやら美奈子ちゃんを標的にしてるみたいなんだ。』
「あたしを…?」
『理由は分からないけど…でも、その為に美奈子ちゃんの周りの人達を襲うって言ってた…』
「何ですって?!そんなの絶対に許せ…」
美奈子が声を張り上げると、その言葉を遮るようにまことが続ける。
『アルテミスも!!…連れ去られたみたいなんだ』
「?!」
(アルテミスが…連れ去られた…?!)
まことのその言葉に美奈子は固まる。
『美奈子ちゃん…?大丈夫かい?』
そして、全身の血の気がサーッと引く感覚に襲われ、遂には意識を手放してしまった。
「美奈っ?!美奈!!」
咄嗟に抱き止めた夜天は、美奈子の顔を見るが生気が無く意識を失ったまま一筋の涙が頬を伝った。
「…っ」
『美奈子ちゃん?!』
「…美奈が…倒れた。」
『夜天くんかい?…えっ?美奈子ちゃんが倒れた?!』
「よっぽどショックだったんだと思う。木野、敵は?」
『…逃げ足の早いヤツで逃がしちゃったんだ…』
「そっか…悪いけど、みんなで家に来てくれる?話はそれからしよう」
『…分かった。みんなを集めて直ぐに行くよ!!それまで美奈子ちゃん宜しく!』
夜天はまことからの通信が切れたのを確認すると美奈子の腕から通信機を外し、そのまま抱き上げ自分の部屋のベッドに美奈子を寝かした。
「美奈…」
まるで、死んでしまったように生気のない顔に夜天の胸が痛む。
「あの時みたいだ…」
ギャラクシアとの闘いの時に見た、あのボロボロに傷付き最後には命の火が消えて真っ白な顔になった美奈子を夜天は未だに忘れられないでいた。
「二度とあんな顔させないって誓ったのに…ごめんね、美奈」
閉じられた瞼にかかる金色の前髪を左右に掻き分け、夜天はそっと美奈子の額にキスを落とす。
それから30分もしない内にインターフォンが鳴り、心配そうな顔をした亜美、レイ、まことに星野と大気、そしてルナを胸に抱いて今にも泣き出してしまいそうなうさぎが、部屋に来た。
「…いらっしゃい。あがって」
「「「「「おじゃまします…」」」」」
四人を先にリビングに通し、後から入ってきた大気と星野の方を見ながら苦い顔で夜天が言う。
「大気、星野。悪かったね…」
「いや、俺たちこそすまねぇ…逃がしちまうなんて…」
「…仕方ないよ…ただ…」
夜天はチラリと自分の部屋の方を見た。
「…愛野さん…ですね」
「うん…かなりショックだったみたいなんだ」
「…正直、この状況はちょっとマズイかもしれませんね」
「どういうことだよ?」
「先程、愛野さんは変身ができないと言ってました。そして、アルテミスが連れ去られた…アルテミスに何かあった可能性が高い。」
「「!」」
本当は何となく分かっていたが、いざ言葉にしてしまうと余計に真実味を帯びて夜天と星野は言葉に詰まる。
その時…
カチャッ、
リビングの扉が開き真剣な顔をしたうさぎが出てきた。
「わたしもそう思うよ」
「おだんご!聞いてたのか…」
「何とかしなきゃ…」
「何とかって…当てはあるの?月野」
「ない…わけじゃないけど…」
「けど?何ですか?」
そこまで言ってうさぎは暫く黙りこくってしまう。
「おだんご?」
「…わたしが銀水晶の力を少し解放すればきっと敵はもう一度現れるわ」
「ダメよっ!!」
「ルナ!!」
「それだけは絶対にダメ!他にも方法はあるハズよ…」
「でも!そんな時間ないよ…早くアルテミスを捜してあげなくちゃ…」
そう、もう彼女たちには迷っている時間は残されていない。本当に一分一秒を争う事態になってしまったことを皆が悔やんだ。
「…ねぇ、ルナ。セーラーテレポートって行く場所が分からなくちゃ使えないのかしら?」
うさぎたちの会話をリビング越しに聞いていた亜美が顔を出しルナに聞く。
「…使えないわけじゃないけど…場所を特定せずにセーラーテレポートを使うのは危険だと思うわ。何処に飛ばされるか分からないもの」
「でも…使えない訳じゃないのね?」
「え、ええ…」
「…少しわたしに時間をちょうだい。何とかできるかも…」
「亜美?!何をするつもりですか?」
「ルナと…大気さんも手伝ってもらえませんか?」
「あ、あたしも?!」
「それは、良いですが…」
「ありがとうございます!じゃ、ちょっと家に行ってくるわね」
「ちょっと亜美ちゃーんっ!?う、うさぎちゃんとにかく銀水晶だけはダメよ?!いいわ…」
バタン、
カチャカチャ、
そう言うと亜美はルナと大気を連れて出ていってしまった。
「え、あ…うん…行ってらっしゃい…って聞こえてないね」
突然の訳の分からない事態に、その場に残された面々は呆気に採られ暫し固まる。
亜美が大気とルナを連れて出て行ってから二時間が経過しようとした頃、ようやくうさぎのスマートフォンに亜美から連絡が入った。
~♪♪~♪~♪
「亜美ちゃんだ!!もしもしっ?」
『もしもし、うさぎちゃん?美奈子ちゃんの様子はどう?』
「まだ眠ってるみたい…」
『…美奈子ちゃん変身できないって言ってたわよね…となると、やっぱり美奈子ちゃんは連れていかない方が安全ね…』
「??どういうこと…?」
『詳しくは後で説明するわ!今から皆で一ノ橋公園に集合よ!』
「分かった!あ!でも、美奈子ちゃん一人にしたくないな…」
『それもそうね…』
うさぎが電話越しの亜美とふと悩むと、後ろからポンッと肩に手が置かれる。
「だったら、僕が美奈の側にいるよ。何があっても必ず守るから!」
「夜天くん…うん!その方が美奈子ちゃんも安心できると思うし、お願いするね!」
にこっと微笑むうさぎを見て、夜天はこの子の為にも美奈子は必ず守らなくてはと胸に決意を抱く。
もし、美奈子に何かあれば自分以上に悲しむのはうさぎだ。
そうすれば、美奈子は自責の念に駈られてしまうだろう。
ならば、自分がそのループを元から断ち切ればいい。
ただ、それだけのことだ。
『…決まったみたいね。』
「うん…!じゃあ、皆で今すぐ公園に向かうね!」
『あ…できれば、星野くんにも力を貸してほしいの』
「星野にも?」
うさぎが、星野の方を振り向くと最初からそのつもりだったと言う顔で星野は頷いた。
「いいって!」
『良かった…美奈子ちゃんの力が使えない分、一人でも多い方が力を増幅できるから大気さんと星野くんには力を借りたかったの。』
「そっか…美奈子ちゃんの居ないんだもんね…」
『ええ…じゃぁ、わたしたちも公園に向かうからまた後でね!』
うさぎは、通話ボタンをスライドするとみんなの方を向き直し続ける。
「みんな、行くよっ!」
「ええ、必ずアルテミス奪還しなきゃね!」
とレイ。
「今度こそ逃がしゃしないよ!」
と、てのひらに拳をぶつけながらまこと。
「星野も…お願いね?」
立っている星野の側に行き、手を握り下から見上げるようにうさぎはそう言った。
「お、おお////」
うさぎ必殺の無自覚上目遣いは見事にクリーンヒットし顔を赤らめる星野にレイとまことはくすくすと笑う。
「何だよ、お前ら笑うなよなっ!!」
「いやー、ごめんごめん。くすくす」
「くすっ、星野くんも大変ねぇ…」
レイがチラッとうさぎの方を見ると訳が分からないと言うような顔でうさぎが首を捻っている。
「なに、なに、ちょっとせーや!何の話し?!」
「なっ、何でもねーよっ!ほらっ、さっさと行くぞ!!」
「あっ、ちょっと引っ張らないでよ星野!」
そのまま、星野はうさぎの手を引き先にリビングから出て行ってしまった。
後に残されたレイとまことはお互いの目を見て頷き、真剣な表情で夜天の方を向き直す。
「夜天くん、美奈子ちゃんをお願いね?」
「分かってる…言われなくてもそのつもりだよ」
「まっ、ヒーラーがいれば安心だよな!」
「むっ、ちょっと!僕じゃ役不足って言いたいわけ?」
「そうじゃないよ。でも、敵は美奈子ちゃんの居場所を突き止めようとしていたから万が一そうなったら必ずヒーラーの地からが必要になるからさ」
「…どうして美奈なんだろう…」
「それはきっと、うさぎが一番信頼してるのが美奈子ちゃんだからよ。それに…」
「金水晶…?」
「…ええ…」
月の王国にいた頃から、セレニティの側にずっといたヴィーナス。
セーラーチームのリーダーであると共に今やセーラーアフロディーテーから授かった
"金水晶" の力によりオーラもパワーも増したヴィーナスは敵に狙われてもおかしくない状況にあった。
「美奈子ちゃんが目覚めたら伝えてくれるかい?必ず敵を倒してアルテミスも奪還してくるからって」
「…分かった」
「じゃあ、私たちもそろそろ行くわね!」
パタン…
そうして、レイとまことも部屋を出ていった。
全員が出ていった後の部屋はしーんという尾とが聞こえそうな程静かで、冷蔵庫や家電製品の独特のモーター音しか聞こえない。
このままリビングにいても仕方ないと思った夜天は美奈子が眠る自分の部屋の扉に手をかけ、ゆっくり開いた。
…だが、夜天が見た光景は最悪の状況だった。
「…美奈…?っ、しまった!!美奈ッ、何処?!」
そこに眠っている筈の愛しい彼女の姿は無く、代わりにいつも身に付けているあかいりぼんだけがポツンと床に落ちていたのだった。
「美奈─────っっ!!」
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